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2009年9月22日 京都音楽博覧会

ファン歴は30年を越えるにもかかわらず、ここ数年は地方在住の哀しさか、諸々の事情でなかなか矢野さんのライブを聴きに行く機会がありませんでした。最後に矢野さんの声をお聴きしたのは、おととしの暮れの“みやこ音楽祭”でした(“Yanokami”での出演だった)。

今回のライブも、場所はその時と同じ京都、同じく“くるり”が関係して いるイベント、京都音楽博覧会。
どういうわけか“音博”には、矢野さんのライブにはごぶさたの私も、第一回から欠かさず参加しています。聞いたところによると、くるりは一昨年の一回目の時から、矢野さんにはずっと出演のオファーをしていたらしいです。何とか3回目の今年になってそれが実現したわけですけれど、矢野さんの音博出演を強く待ち望んでいたのは、くるりの二人だけでなく、数多くの矢野ファン、くるりファン、音博ファンだったに違いありません。
音博当日、天気予報で降雨確率が40%以上もあるのを知り、少々雨への不安を抱きながらも、過去2回の音博ですっかりお馴染みになった梅小路公園への道を歩いていきました。


ただ過去2回とは違い、今回は“矢野特派員”という大切な役目があるので、会場に着いた後も、若干の緊張感も覚えながら、とりあえず矢野さんの出番が終るまではと、物販にもフードコートの誘惑にも負けず、真ん中近く、前から4番目くらいの絶好のポジションに腰をすえ、矢野さんの登場を待ちました。


矢野さんのステージは3番目。黄色のコスチュームで登場です。矢野さんのステージではいつものことだと思うのですが、1曲目の“CHILDREN IN THE SUMMER”の一番最初の音が発せられた瞬間に、広い会場全体の空気がすべて矢野さんに持っていかれたような感じがしました。


3曲目の“Baby, I love you”は、10月に発売されるくるり初のトリビュートアルバムにも収められる曲です。あいかわらずの矢野さん節というか、くるりの原曲を完全に換骨奪胎したというか、原形をほとんどとどめぬ、完全な矢野さんの“新曲”となっていました。ステージの前の方に陣取っている熱烈なくるりファンは、これを聴いて、一体どう思うのだろうかと少々心配になりました。(矢野さん自身も「こんな、さみしそうな曲にしてしまって」とおっしゃつてましたが)


しかし考えてみると、音楽に対するキャパシティがとても広いくるりファンのこと、多分ほとんどの人が楽しんで聴いていたに違いありません。
そうそう、カバーと言えば、後に登場した奥田民生さんが“ラーメンたべたい”を歌ってくれたことは、矢野ファンとしても嬉しいことでした。
考えてみると、矢野さんのビアノ弾き語りをこんなに集中して聴いたのは、学生時代、広島で出前コンサートを聴いて以来、20年以上ぶりのことです。しかも野外のこんな大規模な会場で聴いたのは全く初めてのことです。


会場の梅小路公園内には梅小路蒸気機関車館という施設があり、そこから時折、ポッーという蒸気機関車の汽笛が聞こえてきて、すっかり京都音博の名物みたいなものになりつつありますが、この汽笛、本当に曲などのいいタイミングに鳴るんですよね(矢野さんだけでなく民生さんなど他の
アーティストの時も)。
矢野さんも、「あれは絶対狙ってるね」とおっしゃつてましたが、まさかとは思いながらも、鉄道マニアとしても有名なくるりの岸田さんのことだから、ひょっとしたら楽譜なども渡して入念なリハーサルなどもしているかもしれないなどと妄想してしまう私でした。
最後の曲“ひとつだけ”が終わり、ひとまず場内から移動しようとして歩いている時、ちよっと嬉しいことがありました。後ろを歩いている、矢野さんのライブを初めて聴いて感動した女の子が「もう、すっかり矢野さんのファンになっちゃいそう!」と言っているのが聞こえてきたことです。


結局、大トリのくるりの最後の曲“宿はなし”が終わるまで、雨は降りませんでした。矢野さんはステージの途中で、「今は私のパワーで雨をホールドしている」とおっしゃつてましたが、最後までその“パワー”が効いていたのでしょうか。矢野顕子、おそるべし!


今回の音博、矢野さんについてただ一つ残念だつたこと。くるりとの共演がなかった。多分、今回の“大目玉”である石川さゆりさんとの共演どで、くるりも手一杯だったのでしょう。
今回参加したそれぞれのアーティストの演奏を、頭の中でよみがえらせながら、また来年の京都音博では矢野さんとくるりの共演がぜひ実現するよう念じつつ、イベント終了後、音博のシンボルである京都タワーの暖かな灯目指し、京都駅へ歩みを進める私でした。心地よい疲れを少し感じながら。


ペンネーム:キネオ 様 より