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2010年08月29日 日本フィルハーモニー交響楽団
『Symphonic Entertainment Vol.2』
(東京芸術劇場 大ホール)②

「the gathering特派員」ライブ速報!
ファンクラブ会員の特派員によるライブレポートです!


「東京の熱帯夜、連続記録更新か、今夜も熱帯夜の見込み」
上京する新幹線車内の電光掲示板で流れたニュース。
こちら長野も連日猛暑日で茹で上がりそうですが、東京は40日以上も「涼しい夜」から遠ざかっているのですね・・・矢野さんがDIARYで「もう飽きたよね、こういうweatherに。」と仰るのも無理もない。
池袋駅を一歩外に出たとたん、やっぱり発してしまいましたもん、「暑い!!」。
長いエスカレーターを上り、芸術劇場エントランスに到着。
錚々たる顔ぶれが並ぶお花の列を過ぎ、さらに上階へ向かいます。
今回、オーケストラのコンサートは初めて、という家族と一緒でしたので、リラックスできる席を、と考えて、ちょっと高いところから全景を楽しめる2階席を確保しました。
ステージから見て左の奥ではありましたが、座ってみた景色は、ステージ全景だけでなくステージ後方に鎮座するパイプオルガンの装飾がよーく見え、これまた絶景!

プログラムは、渡辺俊幸さん作曲の「ファンファーレ・フォー・ザ・セレブレーション」で幕を開け、その後も渡辺さんの作品(映画「瞬 またたき」メインテーマ、ショパンメドレー、ビートルズメドレー)、分かりやすい解説を交えた「亡き王女のためのパヴァーヌ」で第1部終了。
実はこの時点では、ピアノはステージ下手(客席から向かって左)奥にありましたが、休憩の間に中央に移動して、あっこちゃんを迎え入れる準備も万端。
非常にスムーズでスマートな舞台転換に感心しました。
(この後、何度か転換の場面がありましたが、やはり見事な手際の良さでした)

第2部は、真っ赤なドレスに身を包んだあっこちゃんの登場から始まりました。
何度も聴いているはずの「ひとつだけ」のイントロも、オーケストラと一緒に歩むことでぐんと奥行きと広がりが増し、とても新鮮でした。
いや、矢野メロディ(古賀メロディみたいだ・・・って、これを知っている人は同年代以上)はもともとシンフォニックな要素を持っていると感じていたので、実際に「交響曲」として聴いてみて納得しました。2曲目は、あっこちゃんがピアノから離れて、スタンドマイクで「マイ・ロマンス」。渡辺さんがMCで呼び入れるはずだったピアニスト西さんが、自主的に登場。この西さんの醸す雰囲気がまたユーモラスでステキでした。

今回のコンサートのプロデューサー・指揮者、渡辺俊幸さんと矢野さんは、皆さんご存知のとおり青学時代の同級生でバンド活動もしていた間柄。
「隣りのクラスにすごいピアニストがいる!」と出会った時に感じたこと、そして、彼女はきっと世界的なジャズピアニストになると直感した、というエピソードを渡辺さんが披露。
また、3曲目「中央線」のコード進行を送って、とあっこちゃんに依頼して届いたものが渡辺さんの聞いた音源(Youtubeだったそうですが)と違っていて、「いつ版のアレンジを送ってくれたの?そういえば、コンサートで演るのって全部アレンジが違うんだよね」 と渡辺さんが訊ねると、「演奏したそばから忘れちゃうのよ」と返すあっこちゃん。
「あっこ」「としゆき」と呼び合うお二人の信頼関係が、こんなやりとりからも伝わります。
シンフォニックな、といえばこの「中央線」も、線路や景色がどこまでも広がっていく壮大さ・・・
さながら「映画版・中央線」とでも言いましょうか。
そして、ゲストプログラム最後は「へびの泣く夜」。これもピアノソロとはまた違うビート感とグルーヴでカッコ良かったです。これも、渡辺さんがあっこちゃんの「ピアノと歌」という基本の持ち味を十二分に理解したうえでアレンジしたからだろうなぁ、と思いながら聴いていました。あっという間の4曲。でも聞き応えは充分でした。
あっこちゃんを見送った後、舞台転換している間に、プログラム最終曲の制作エピソードについて、渡辺さんが語ってくださいました。渡辺さんの幻想を通して映し出された能登の海や原始の風景、古代の風土や人々の思いを表現した「交響的幻想曲『能登』」。迫力満点でした。


・・・と、プログラム上ではここまで。でも、ちゃんと「もう1曲」を用意してくれていました。
渡辺さんとあっこちゃんが登場、そして披露されたのは「おおパリ」。オーケストラが加わると、「頼むから熱よ下がってくれ~!」という切実さがぐんと増すことがよく分かりました。

コンサートの充足度は、曲数や時間ではなく、やはり「質」なのだ、と再認識もしましたし。
ふたたびあっこちゃんを見送ったのち、渡辺さんの代表作のひとつ「愛・未来」の演奏でコンサートは終了しました。たくさんの方がスタンディングオベーションしていましたね。

今回のコンサートでは、気心知れたお二人のプロフェッショナルを通して、交響楽の生音の心地よさと、渡辺さんのアレンジによって色彩・香り・広がりが増した矢野メロディの素晴らしさを体感することができました。
毎年定例で企画してほしいですね。「ドラマー渡辺俊幸」の姿もほんとに見られるかも知れませんし。
あっこちゃん、暑い(今年は特に)夏を今年も楽しませてくれて、本当にありがとうございました。

帰路につき、新幹線を降りたとき、東京よりは若干ひんやりした風が頬に。ちょっと安心。
東京にも、鈴虫が鳴く涼やかな夜が訪れますように。

ペンネーム:ハラ様より

【セットリスト(矢野顕子演奏曲のみ)】
1.ひとつだけ
2.マイロマンス
3.中央線
4.へびの泣く夜
EC1.おおパリ